自動運転:HPECはいかにしてエッジAIとディープラーニングを可能にするか

hpec_ad_fi

自動運転:HPECはいかにしてエッジAIとディープラーニングを可能にするか

自動運転車が絶えず状況を認識しながら自律走行をするためには、取り巻く環境情報を常時把握する高度なセンサ(RADAR、LiDAR、高解像度カメラなど)が必要です。それには、さまざまなセンサとのやりとりで集められる大規模なデータを処理し、エッジAI(人工知能)とディープラーニングのアルゴリズムを応用しながら、リアルタイムで車両を学習させていくことができるHigh Performance Embedded Computing(HPEC)システムが不可欠となります。

ユーロテックの車載向けHPECは、他に類を見ない高い性能と堅牢なアプリケーションを兼ね備えており、レベル5での自動運転(ドライバーの介在を必要としない、完全に自動化された走行)の課題を解決し得るストレージやコンピューティング、ネットワーキング、エッジAIおよびディープラーニングの各機能を持ち合わせています。

ユーロテックのHPECシステムには3つの大きな特長があります。先ず車載向けの認証を受けていること、次にユーザーのアプリケーションに対してシームレスなインテグレーションが可能なこと、そして消費電力を抑える液体冷却機構です。

以下にユーロテックHPECシステムを利用した、自動運転を実現する3つのアーキテクチャー例をご紹介します。

高性能データロギング

この事例では、DynaCOR 40-34がDynaNET 10G-01経由で多数の車載センサからデータストリームを受信し、合理的且つ高性能なデータロギングを実行しています。40GbEバックボーンと最大48x1GbEのデータソースといった、非常にバランスの取れたアーキテクチャーです。

このセットアップは、実際に使用されている商用車を最小限の改造に留め、その走行条件を元に車両と周囲環境のデータセットを収集したいお客様にとって、とても大きなメリットがあります。この認証取得済のDynaCOR 40-34とDynaNET 10G-01は超小型であるため、一般小型車のトランクのほんの一部を使用すれば設置することができます。

high_performance_data_logging_autonomous_driving-1

高性能車載コンピューティングでエッジAIを実現

次の事例は、上記1で紹介したスタンドアローン・アーキテクチャーのロギング機能にスケーラブル・コンピューティング機能を追加し、車載エッジAIを可能にする2つの新しいビルディング・ブロックを導入したものです。DynaCOR 50-35は、自動運転用エッジAI及びディープラーニング・アルゴリズムをサポートする、かつてないコンピューティング機能を持った堅牢なHPECサーバーです。また、DynaNET 100G-01は、双方向の大規模データを送信できる高性能100GbEイーサネットスイッチです。

high_performance_embedded_computing_and_ai

この例ではDynaNET 10G-01がセンサからのデータストリームを集計し、バックボーンのDynaNET 100G-01へと情報を送ります。この構成では、すべてのDynaCORが2x56GbEリンクを使用しており、デバイス当たり112Gb/sというダイナミックな帯域幅を割り当てることができます。連続するリアルタイムのセンサ・データストリーム(最大40Gb/s)は1台目のDynaCORインタフェースに向けられ、2台目のDynaCORはタスクとメッセージを実行するという考え方は理にかなっていると言えるでしょう。

DynaNET 100G-01とDynaNET 10G-01の優れた特長はレイヤー3のネットワーキングで、これにより非常にこまやかなトラフィック管理が可能となります。これはレイテンシーを最小化し、アーキテクチャー全体の運用劣化を引き起こすデータ・スタベーションや同様のネットワークの不具合を避け、データストリームが正しいデバイスに向けられることを確保する上で極めて重要です。

DynaNET 100G-01には、40/56/100Gb/s対応の16ポートがあり、DynaCOR 40-34とDynaCOR 50-35は共に40/56Gb/sのデュアルインタフェースを持っているため、40/56Gb/sのリンクを持つ最大15台のDynaCORまたは80/112Gb/sのリンクを持つ最大7台のDynaCORと組み合わせることができます。40GbEのリンクを1~2使用する場合は、1〜2台のDynaNET 10G-01に接続されたセンサ・ネットワークにリーチすることができます。

また、ビルディング・ブロックを組み合わせることで、(16台のストレージデバイスを使用した)最大256TBのNVMeストレージや、最大16TFLOP(CPU)+248TFLOP(GPU、FP32)の処理性能、あるいはその間のいずれかといった極めて高度なコンフィギュレーションが可能です。これにより、オンボードでのエッジAIとディープラーニングによる大規模データ処理が実現します。

DynaCORはそれぞれ2xGbEインタフェースを備えており、上記のような極端なケースでもセンサへの直接続が可能であることは特筆に値します。さらに、DynaCOR 50-35とNVMEストレージとを組み合わせると言った、よりフレキシブルなコンフィギュレーションも可能です。

自動運転のための冗長的なHPECアーキテクチャー

最後の例では、スイッチを2台追加することにより、どのような冗長化アーキテクチャーが実装できるかを表しました。ここでは単純化したアプローチで、実際の冗長性を完全に反映しているわけではありませんが、それでも普通自動車の物理的な制限(車内スペース、走行条件、総許容電力など)がある中で、非常に高度なコンピューティングやストレージ・インフラが構築できる様子を示しています。

redundant_hpec_architecture-4qostf

自動運転向けHPEC:ホワイトペーパー

ユーロテックのHPECシステム、エッジAIに関する詳細については、ホワイトペーパーをご覧ください。

whitepaper_jp_preview